唯一自分の武器となるはずの爱剣もなければ、その白刃を振るう为の腕も、今では头上で拘束された。
それどころか、ディルトの身体は、本能とも言える防御反応として、体内への侵入者を拒む为、侵入口となっている肛门を何とか闭ざそうとさえしているのだ。
ディルトの悬命の防御策を嘲笑うかのように、尻の内部へと侵入を果たしたテールの进军はとどまるどころか、むしろその速度と精度を上げはじめる。
「く…う……!」
正しく、万策尽きた、と言える様相だった。
无论、そうしたい訳ではない。
「く、あ……ッ!!」
今まで内部を这うように进んでいたテールの触手が、ぴたりとその进行を止めると、今度は停滞したその个所で、やおらぬるつく先端を蠢かせた。
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これは恐らく、テールの体侧から分泌されるぬめぬめとした分泌液に、痛覚を麻痹させる、もしくはそれを缓和する作用を持った物质が混じっているからだ――。
「く……ッ!」
苦し纷れに、重い锁を繋がれた足をもがいてみると、その筋肉の动きに助长されたのか、尻の中でテールがうねった。
今の自らが置かれた状况を、深く想像すれば思わず呜咽してしまいそうになって、ディルトは强く睑をつぶって吐息を噛んだ。
させている、はずだ。
このままでは……俺は……!
「ッ……!」
「ッう…!!」
「く…うう……!」
决して後退する事のない、决定的で粘质な侵攻に、ディルトの身体は不规则な危険信号を点灭させながら打ち震えた。
どれだけディルトが気骨を持って胸を反らせようと。
「く……ッ」
「…く……そ……ッ」
谛めたくはないし、谛めるつもりもない。
先端をすぼめるようにして侵入した触手の先、それが时间をかけて、ゆっくりゆっくりディルトの体内へと进行し、现在では、马の手纲と相违ない程の太さの触手が、进军を拒み続ける括约筋を押しげている。
だが、それだけの太さに侵入されても、不思议な事に痛みはなかった。
最期の最期まで、自分は勇者である、辛辣な现実に向かい合い、生き抜く人々の希望であるのだ、と夸りと気概を持って、目の前の惨状と相対するつもりだ。
屈辱に燃える头の隅で、ディルトがそう考えながら、几度目か分からぬ重い歯ぎしりを口内に响かせた时だった。
このまま、では……。
「ッ……!!」
贯かれた瞬间も、そこから繋がる进军时も、ディルトは一切の痛覚を刺激されずに现状に至っている。
足には钢鉄の枷をはめられ、铠を剥がれた下一枚の身を守る术もない姿で、ディルトは牢の中に吊るされているのだ。
ずるり、と短い音が身体の内侧から响いて、その直後には、臀部の中心が、ぬめる粘液と共にテールの触手を饮み込んでいく。
ずるり……!!
最初はゆっくりと、そして探るように动いていた触手の先が、今は明确な侵略の意図を持ったかのように蠢くと、それはディルトの肛门口を力强く割りげながら押し进む。
谛めたくはない。
体内をまさぐられるような感覚と、それと同时に、下半身を舐め上げるように这い上がってくる不快感。
今までとは明确に违うその动きに、思わずディルトは唇を开いて声を上げた。
だが。
木制の樽の中から这い出た当初、岩肌が剥き出しのままの床面を、所在无げにずるずると这いまわっていた触手たちのほとんどが、今やディルトの身体……下半身に取り付いている。
先阵部队とも言える、最初の触手がディルトの尻の中心を贯いた後、それらの触手たちは、次军、そのまた次军、と宣言するかのように、顺を追って、ゆっくりとディルトの尻へ向かって遡上した。
「く…う……ッ」
それなのに。
どれだけ必死に解决策を模索しようと。
强引に割られた括约筋を、下半身の筋力を総动员して眉根を寄せつつ収缩させる。
体内の奥へと向かっ
その上、とうとう、无防备な肉体は、おぞましきテールの侵略を、なす术もなく受け入れた。
だが、思った所で対応策など皆无だった。
気付けば、侵入の直後は、軽微だった异物感が、今では明らかな存在感に変化していた。
この状况では。